2017/04/06 14:17


部品を探される際には、まずデロルトキャブレターの形式を必ず末尾までご確認ください。


それぞれのデロルトキャブレターには型式が鋳型あるいは刻印により記載されてます。
例外も有りますが、この数文字により形式や口径等がわかります。
画像はPHM38ND1の表示部分です。8文字を分解してみます。

P(1)-H(2)-M(3)-38(4)-N(5)-D(6)-1(7)

数字の前、頭の3文字か4文字が型式になります。


(1)スロットルスライドの断面形状になります。

P:スロットルスライドの断面は円形(円筒型)
S:スロットルスライドの断面は長方形(箱型)
V:スロットルスライドの断面は長円形(入力/出力側は平面)


(2)流入流出の方向

H:水平
S:垂直


(3)筐体や大きさの区分

スロットルスライドが円筒系で水平が二輪向けでは一般的なデロルトキャブレターになります。
さらに排気量や目的で口径は12mmから41mmまで有ります。
口径の大小や内部構造の違いから筐体は何種類にもなります。(3)がこの詳細を示します。

こちら頭3文字か4文字が形式になります。


(4)数字

エアーフロー部分の口径になります。ただデロルトキャブレターのモデルによっては、長円形になりますので必ずしも一致しません。
また、一部キャブレターは実際より大きい数字になってます。例SI26.26は口径は25mmです。


(5)詳細な区分

頭文字3文字か4文字+数字で大まかな型式は判るのですが、さらに目的により幾つかの種類が登場します。
例えばエンジン側への取り付け方法の違い(リジッドかラバーチューブを介しての取り付けか)等です。


(6)キャブレター左右の表示

キャブレターは側面に2箇所の調整機構が有ります。
2気筒車で2個装備の場合、この調整機構がそれぞれの左右側面に設けられれば作業は容易になります。

吸気側から見て右側か左側かの表示です。

D:吸気側から見て右
S:吸気側から見て左


(7)数字

さらに末尾に数字が設定される事が有ります。新型への変更等の場合です。


------もう一つの型式-------

全てのデロルトキャブレターには3桁、または4桁の数字が設定されてます。
表示の都合、画像の773ですと00773と表示される事も有ります。ステッカーか古いモデルですとアルミの表示タグが付いてます。




同一のキャブレターでも、ジェットやニードル等の設定は使われる車種によってバラバラです。
この詳細な違いごとはそれぞれ番号にて区分けされます。

同じ50ccのバイクでも仕向地により最高速(欧州では25km仕様や45km、無制限等が有ります)や排ガス対応によって10種類以上の設定が設けられる例も有ります。

時にはスロージェットの形状が変更となり、取り付け部分に
互換性が無い事も有ります。